Google 技術講演会 in 京都

京都で行われた Google の技術講演会に行ってきた。
ハイアットリージェンシーに着くとドレスアップした人の間を通るとカジュアルな格好の人たちが沢山いたw

簡単なレポート。

Google モバイルプロダクト (若狭 建さん)

Google で行われているモバイル開発と日本での取り組み

  • 何故モバイルか?
    • 携帯は全世界で 30 億のユーザが使用。国内では約 1 億ユーザ。
    • Google の全てのプロダクトをモバイルでも使用できるように展開していく。
  • モバイルプロダクト
    • モバイル検索
      • Google の検索をモバイルからでも可能に。
    • 急上昇キーワード
      • テレビで取り上げられた単語のトレンドを調べる。
    • 検索 API
      • モバイル検索機能。Docomoau といったキャリアに向けて API を提供している。
    • Googel マップ
    • Gmail
      • 日本のキャリアの絵文字にも対応している。
    • YouTube
      • YouTube は日本ユーザが多いため、外せない。
  • Android
    • Open handset alliance
      • 各キャリア、メーカー、半導体メーカー等が提携。
      • Android の一番の売りはオープンである事。
    • オープンって何?
      • キャリア、メーカーにとってのオープン。
        • ソフトウェアは Apache2.0 ライセンスとなる (最初の製品がリリースされた時に適用)。
        • オープンソースなので誰でも作成できる。
      • エンドユーザにとってのオープン。
        • カスタマイズが出来る。
        • PC に近い形。
        • ユーザが設定を自由に変更を出来る。
      • 開発者にとってのオープン。
        • リリースする際に許可が不要。
        • 全てのアプリが統合、拡張が可能。
        • 開発するためのプラットフォームが用意されている。
    • プラットフォーム

Google マップUGC - "このエリアを散策" (南野 朋之さん)

  • UGC とは User Generated Content の略。
  • Google のミッション
    • 世界中の情報を整理して世界中の人からアクセスできる。
    • Google マップ では、世界中の情報を「地理的」に整理する。
      • 航空データ、電話帳、各パートナーの情報(ぐるなびとか)、地図情報を集めて、整理する。
    • 世界で最も広範囲で役に立つ世界地図をネット上に作りたい
      • その為にはその地域に住む人の協力が必要。
      • 例えば、九州のこの地域のラーメン屋が美味しいという情報はその地域に住む人しか分からない。
  • その為に Google が提供するもの
    • ベースマップを提供する。
    • コンテンツを作成するツールを提供する。
    • それらを使ってユーザが作成したコンテンツを Google が整理して提供して行く。
  • Google マップ API の始まり
    • 最初にGoogle マップJavaScript を解析してサービスを作った人が居た。
    • 実はそれはライセンス違反だった。
    • でも利用する人がいるのなら、API にして公開した。
  • Geo Web
    • 場所に関するデータを集める事によって何か新しい別なものが出来るのではないかと考えている。
  • マイマップ
    • 地図上のデータを共有。
    • 例えば日本を23日間かけて回った人のデータを共有する事が出来る。
    • Google マップの左側にリンクがあるので見てみて。

はてなのサービスと Google API / はてなの開発体制 (伊藤 直也さん)

  • はてなのポリシー
    • サービスを通して人生を豊に
    • サービスを通じて新しい価値をネット上に
  • インフラが既にあるのが前提
    • すぐ出来る → やってみよう
    • Google App Engine とかも出てきてるから、誰でも簡単にサービスを提供できる世の中になってきている。
    • Web 開発が徐々に高度化(インフラ、データ処理、サーバサイド、フロントエンド)インターフェイスをしっかり作らないと使ってもらえない。
  • WebAPI について
    • WebAPI はデータをオープンにする。
    • データはユーザのもの。
    • 自分たちの想像を超えるものを見たい。
  • はてなの開発体制
    • 今までは勢いで作っていた面があった。
    • それを組織力で作るようにシフトしていく。
    • 20 年前ファイナル・ファンタジーが作成されたのは数人だったけど、今は 100 人以上で作られている。
    • チームで作る。
      • 4 から 5 人のチームで、監督とプレーヤというような形で。
  • はてなの今後
    • 科学の追求。
    • 科学とサービスの融合を行いたい。
      • ある物に何かを加えて変化できるのは科学だけ。
  • 関西のコミュニティを盛り上げて行きたい。
    • Kansai.pm や OSC Kansai 2008、KFC とか。
  • インターンも募集している。詳しくは はてなのページへ。

Google におけるエンジニアの日々とリサーチ (マイク シュスターさん)

  • Google に研究開発について
    • 音声認識に関する研究を行っている。
    • アメリカでは電話案内のサービスがポピュラー。
  • 1-800-Goog-411
    • Google による音声認識による案内。
    • 専用の電話番号に電話を掛けて、位置やカテゴリを電話で言う。そしてやりたい事を電話で言うと結果が返ってくる。
    • デモ動画の紹介 (1-800-Goog-411)
  • 電話での音声認識は難しい。
    • ノイズとか。
  • Google の研究者の仕事は?
    • 基本的にソフトウェアを作っている。
    • バグフィックスもする。
    • 不具合があったら、夜中の 3 時とかに対応することも。
    • サポートもする。
    • 論文も書く。
  • 開発体制
    • 基本チームでの開発。
    • 1 人で開発する人もいるが、それは稀なケース。
  • プロジェクトの開始
    • 三ヶ月の予定を立てて、それを行う。
    • 三ヶ月後にその予定が出来たかチェックをする。
  • 20% ルール
    • 有名なアレ。Google に関する事なら業務の 20% を割り当ててもよい。
  • ソフトウェア開発
    • 全てのコード・ドキュメントが読める。
    • コードを書く場合は、必ずコードレビューを受ける。
    • レビュー後にチェックインが可能になる。
    • ノートPCでどこでも開発できる。オフィスや、路上(!?)でも。
    • マネージャはあまりいない。チームが主体となる。
    • 研究員は120 人くらいいる。翻訳と音声認識がメインの研究。
    • ローカリゼーションの為のオフィスは不要。何故ならコードは全て Unicode で記述されているから。
    • 他のオフィスで働く事も可能。
      • 例えばマイクさんはニューヨークのオフィスと仕事をしているらしい。

Q & A (興味深かった質問のみピックアップ)

  • Q:Android の実機を早く使ってみたい。いつ頃リリースなのか?
  • A:準備中。具体的な日時は分からない。必ずオープンソースとして公開するので待って欲しい。
  • Q:Google を追い抜く可能性のある企業は?
  • A:分からない。20 〜 30 年のスパンで見るとそういう会社が出てくるかもしれない。
    • Google の面白い所はエンジニアがそういう事を考えなくて良い所。
    • Google のエンジニアはユーザの事を考えている。
    • 競合する企業は?と聞かれる事があるが、その時はこれからスタートアップするベンチャーがその可能性があると答えるようにしている。
  • Q:ニコニコ動画で昔 API 遮断するという事があったけど、 API の線引きはどこなのか?
  • A:Google マップ に関して言えば、 Google マップの開発部隊と、API の開発部隊は別になる。
    • Google マップ自体はオープンであるべきという意見は Google 社内にもある。
    • ユーザに対して利益がある場合は、柔軟に対応していく。

感想

非常に有意義な講演会だった。Google に関する事が聞けたのも面白かったし、はてなの取り組み方についても聞けたのが良かった。
こういった講演会は関西ではあまり無いので(勉強会は増えてきているけど)凄く嬉しかった。


交流会のプレゼント抽選会ではくじを引く人がはてなの近藤さんでビックリしたw
あと Google の Tシャツを参加者全員に配っていた。 Google 太っ腹!


※講演会は写真撮影禁止だった。